動ける認知症の方の老人ホームの選び方

セツ子
介護度3以上ではない認知症の方の選び方は、
①サービス(食事、アクティビティ、住み心地)>②家族からみた立地>③費用でしぼりこむのよ!
姉妹(姉)
それは違うと思うわ!
自分の親だし寂しい思いをさせなくないの。

だから、頻繁に会いにいってあげたいと思うから、自宅から近いところを考えたいわ!
立地を1番に優先させるべきではないの?

セツ子
皆さんそう言うけど、それは正しい選び方とは言えないわ。

本当に親の事を思うなら、症状を緩やかにすることを一番に優先させるべきなのよ。

認知症を受け入れてくれる施設なら、どこでも同じってことではないの。

単に「認知症相談可、対応可」とか、それだけで判断してはいけないわ。

認知症ケアや認知症プログラムを取り入れている施設を選ぶべきよ!

だから、サービス面を一番に優先させるべきなのよ。

姉妹(姉)
サービスって食事とかアクティビティのこと?
セツ子
そうよ!
しっかりと認知症に取り組んでいる施設では、その取り組み次第でアクティビティや食事、住み心地が変わってくるの。

「自分らしく過ごせる、自分にあう環境」が確保できるのよ。

姉妹(姉)
なるほど。
そうよね。

まずは親の事を考えたら、「いい施設」を選びたいわ。

立地はその次よね。

セツ子
そういうこと!

そして、最後に費用で絞ることで、家族も本人も納得のできる施設を選ぶことができるはずよ。

介護度3以上の認知症の方については、「介護度3-5」をご覧ください。

自分らしく過ごしてほしい!生活の質を重視した老人ホームの選び方

自由を奪われて、自分らしく過ごせない施設だと、認知症は進んでしまいます。

認知症をケアを取り入れて、楽しくリラックスして過ごせる施設を選ぶために、それぞれ優先項目順に選び方を説明していきます。

サービス(食事やアクティビティ住み心地)>②家族からみた立地>③費用と、条件を出していき、3つ程度にまで施設を絞りこみましょう。

①サービスから絞る

認知症の症状にもよりますが、トイレや食事だけでなく夜中に起きたりなど、何かと生活において注意する必要があります。

Two gold and silver vector keys

サポートする方に大きな負担がかかるのも、確かなことです。

しかし、施設側の都合によって負担を減らすために、徘徊する入居者の部屋に鍵をかけたり、縛りつけたりして、管理をしやすくする。

認知症を受け入れている施設でもそのような対応をする施設は多くあります。

仕方のないことでしょうか?

一方で、認知症ケアに力を入れている施設では、音楽を取り入れてみたり、食事のメニューをこだわるだけでなく、個人によって対応を変えてくれます。

例・認知症が進むと食事を拒否することがある

一度の量を少なくして回数を増やす、食べられそうなときに食べたいものを提供するなど、1日3回の食事だと決めつけない対応が求められます。

これは、施設のサービスが良くないとできません。

また、食事を拒否する場合などは、食事のとる場所を個人によって変えてくれるなど、よい施設では細かい対応をしてくれます。

施設の体制は、サービス面に反映されます。

サービス面を優先していくことで、後悔しない施設選びができます。

認知症ケアを考えるなら、アクティビティも重要です。

「アクティビティケア」というのは認知症ケアの中でも非常に重要なサービスとなります。

本人が趣味だったカラオケや園芸、ボーリング、囲碁や将棋などの活動を行うことで、脳の活性化が期待できるからです。

カラオケを楽しむ

入居される方が好きなことや、趣味だったことなどを考えてあげて、できるだけ好きなことが続けられるように考えてあげましょう。

住み心地も含めたサービス面について、以下にいくつか項目を出しています。
どのようなサービスがある施設が良いか、入居者の事を考えながら条件を出して絞りこんでみましょう。

  • 栄養管理された美味しい食事、個別調理はもちろん、個人の症状に対応した提供をしてくれる
  • カラオケや囲碁、園芸、茶道などの本人の趣味ができる
  • 趣味以外にも体操や音楽鑑賞など、認知症ケアのレクリエーションがあること
  • 認知症ケアとなるプログラムを取り入れていること
  • 個室がある
  • 大浴場や足湯がある
  • GPSにより自由に散歩ができること
  • コミュニティルームがある
  • 四季を感じられるような飾りつけ
  • 築5年以内と新しい施設

②家族からみた立地から絞る

施設

週に1度や月に2度くらいなど、立地を考える際にはポイントがあります。

施設探しをしている時点では、「頻繁に通ってあげたい」、「毎日顔をだしてあげたい」と考えられている方もいると思います。

ただし、毎日や頻繁に行くことで、返って帰宅願望が出てきてしまい、施設の方では対応に困ってしまうこともあります。

家族の方が無理されない程度で、「行けるときに会いにいく」という考え方で、以下のように、少し広い範囲で条件を出していくといいでしょう。

  • 兄弟姉妹が交代で顔をだす場合:兄弟姉妹が住む場所の中間地点
  • 電車利用の場合:駅から徒歩またはバスで行ける施設
  • 家族が住む家から電車や車で1時間または1時間半以内

③費用から絞る

老人ホームの種別によって、費用体系が異なりますが、主な違いは入居時に必要な費用が「あるか、ないか」となります。

最近では、一つの施設でも、入居金支払いプラン、入居金0円プランと選べるようになっている施設も多くあります。

この場合、どちらを選ぶべきか?
一般的な目安としては、5年以上入居する場合には、入居金を支払うプランを選んだ方が、後々の月額費用が安くなります。

逆に、3年以内の入居となる場合には、入居金が0円のプランの方が必要以上に費用を負担する必要がないと言えます。

費用について考えるうえでも覚えておいた方がいいでしょう。

また、予算を決めて絞り込んだ結果、選べる施設がなくない状況になってしまったら、再度、①サービス面からしぼるに戻ってください。

サービス条件を緩めることで、対象となる施設が出てくるはずです。

2つ,3つ程度の施設まで絞りこめたら、必ず見学に行きましょう。

事例

事例1

独り暮らしをしていた父が認知症となり、私の家族と同居することになりました。

2年近くは父の症状も穏やかで、同居生活もそれほど問題なく出来ていたのですが、ある時期から父は私に対して暴言を吐くようになりました。

初めのうちは、娘である私に対してだけだったので、認知症だから仕方がないと諦めて我慢していました。

しかし、夫や大学生の子供に対しても乱暴な言葉で攻撃するようになったのです。

1年近くその状況は続き、家族同士でもケンカが絶えなくなりました。

もうこのままでは自分がおかしくなるどころか、家族もバラバラになってしまうと思い、ホームを探し始めたのです。

家族に対して暴言がある父でしたが、他人に対してはありません。

それどころか、近所のおじいさん達とは、会えば楽しそうに会話しています。

父の事を考えると、「同世代の方と頻繁に会話ができる環境の方が良いのかもしれない」とも思いました。

父の趣味は将棋だったこともあり、男性の方の入居者がいて、将棋や囲碁のできる環境の施設を考えました。

他にも、


  • 認知症がこれ以上悪化しないために、認知症ケアに力をいれている施設
  • 個室部屋

サービス面の条件をいくつかあげて絞り込みました。

次に、立地から絞り、私もパート勤務をしていたため、週に一度程度、車で2時間以内で行ける距離で絞り込みました。

費用については、入居金があるプランとして、入居金が500万円程度、月額約18万円くらいを考えました。

この結果、2つのグループホームと介護付き有料老人ホームが残り、父も連れて施設の見学へ。

楽しい雰囲気の老人ホーム

アットホームな環境だったグループホームを父が気に入りました。

そのホームでは、家族も一緒に参加できる行事など、毎月最低でも2度はイベントがあり、父も、「イベントを楽しみにして過ごせる」と感じたようです。

また、認知症ケアのプログラムが組まれている施設で、専門的な指導を受けているスタッフがいることは心強く、安心できると感じました。

家族として、ここなら父も「穏やかに過ごせるのではないか」と感じました。

費用も入居金がなく、月額13万円程度、車で1時間程度、私自身も負担がない施設に決めることができました。

事例2

手助けをしながら車にのりこむおじいさん

80歳の父が1年前から認知症となってしまい、母が世話をしながらデイサービスに通っていました。

しかし、母も高齢なので、このままだと母の方が先にダウンしてしまう様子でした。

実際に、母は介護疲れから1週間ほど入院することになりました。

その間、私と私の娘が交代で面倒をみていましたが、仕事も休まなくてはいけなくなり、家でみるのは厳しいと感じました。

父自身も老人ホームに入ることに抵抗がなかったため、まずは体験入居することにしたんです。

しかし、何も考えずに決めたホームだったため、父は「こんな寂しい思いをするとは・・・帰りたい」と・・・。

私も付き添いでそのホームに行ってみると、建物は新しく清潔感もあり綺麗でした。

個室制となっていて、トイレや洗面台、冷蔵庫も完備されて言うことなし。

ただ、スタッフや他の入居者の方と触れ合う機会もなく、父は1日中部屋に閉じこもっている状況だったのです・・・。

ベッドに横になりながら、テレビを見ているだけの生活を見て、寝たきりでもないのに、確かにこれでは父が「寂しい」と感じるのがよく分かりました。

そこで、父が寂しい思いをしないための老人ホームを探すことにしたんです。


  • 食事以外の時間でもスタッフが声をかけてくれる
  • 入居者同士が関わる時間が多い事
  • 頻繁にアクティビティやイベントがある
  • アルツハイマーによる認知症ということから症状が悪化しても最後まで対応してくれる施設
  • 居室は個室でも2人部屋でもこだわらない

  • 立地に関しては、私と姉で通うことを考えて、「互いの住む場所から電車で1時間以内」で行ける場所を条件にしました。

    費用は、父自身の年金と子供3人が2万円ずつ負担する形にして、月額25万円程度を考えました。

    絞り込んだ結果、介護付き有料老人ホームが2件残りました。

    介護士

    姉と見学に行き、施設の見た目よりも職員の様子や食事風景、サービス内容などの内面的なことを確認しました。

    2番目に行った施設では、居室の扉が常に開けられており、お部屋にいても廊下を歩くスタッフや他の入居者と挨拶をするなど、雰囲気のよい施設でした。

    スタッフさんにも話を聞くと、

    「入居されて間もなくは寂しがられる方もいますが、すぐに馴染めるように、他の方と交流する機会を多く作るなどの工夫をしている」との事。

    このような考えをもったスタッフがいることに、とても安心感を覚えましたし、イベントも多く、認知症ケアも取り入れている施設でした。

    「ここなら父も寂しがることなく過ごせる」

    費用も予算内だっため、すぐに入居へと。

    既に1か月が経ちましたが、話し好きな父の部屋には、自然と人が集まっているとのことです。

    父も、「楽しく過ごせているよ」と言ってくれています。

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