要介護1~2の方の老人ホームの選び方

セツ子
要介護1,2の方の老人ホームの選び方は!
①安心>②サービス(食事やアクティビティ)>③家族からみた立地>④費用

この順にしぼりこむのよ!

姉妹(姉)
え?
本人の自宅近隣または家族の近くなど、まずは土地勘がある施設から選びたいのだけど…。
セツ子
それでは納得のいく施設選びはできないわ。

必ずしも自宅近くに安心して入居できる施設があるとは限らないでしょ。
まずは安心した暮らしができる施設に絞ることが一番よ!

姉妹(姉)
老人ホームならどこでも安心できるって考えていたのだけど?
セツ子
施設によって医療や介護の体制は違うのよ。

入居する人の症状によっては入居できない施設もあるの。症状にあったケアがどの施設でも受けられるとは限らないの。

例えば、何らかの疾患がある場合など。

付き添ってもらっての通院が必要だったり、糖尿病なら食事管理やインシュリン注射が必要だったり…
特に、専門的な医療行為が必要な場合には、対応できる施設は少なくなるの。

入居者の症状を考えて、対応できるスタッフがいる施設を選ぶことが第一なのよ。

姉妹(姉)
それはそうだけど、
特に疾患などがなく、単に日常生活に少し支障がある程度で、

「自立した生活が難しい」
「他人のサポート(通院の付添いなど)が必要」
という理由から施設を探している場合でも?

セツ子

その場合も選び方は同じよ。
要介護1や2となると、やはり日常的に介護が必要ということになるわね。

「24時間対応」と記載があっても、それは外部に委託している事業所の職員のことだったりすることもあるし、留守番しかできない職員の場合もあるわ。

「24時間職員常駐」なんていうのは老人ホームではほぼ当たり前のことだけど、ただの職員だったりもするわ。

それだと夜間に介護が必要な場合、対応してもらえないでしょ。

姉妹(姉)
なるほど~!
安心が一番に来るのは分かったわ。

ただ、次に立地が優先では?サービスがくるのはなぜ?

セツ子

立地よりサービスよ!

入居者は施設内での生活が主になるのよ!

快適に過ごせるような環境や、ADL(日常生活動作)の低下防止となるようなアクティビティがあることが重要になるの。

食事一つにしたって大切よ。
食事のことだけで、「退居したい」「こんなご飯は食べられない」といって退居する例もあるの。

姉妹(姉)
確かに、一人では外出も難しいし、施設内での生活を優先して考えなくちゃいけないわね。
セツ子

サービスの次に立地ね!

ただ、家族目線での立地よ。
本人は施設内での生活が主になるから、家族目線で考えて選ぶことがポイント。

そして、最後に費用で絞る。

この順に絞ることで、 安心できる施設を絞ることができるわ。

これ以上悪化させない!安心で楽しい生活が送れる老人ホームの選び方

安心、サービス、家族からみた立地、費用と、優先する項目順に選び方を説明していきます。

条件に合った施設を3つ程度まで絞りこみましょう。

①安心から絞る

杖で歩く

安心を考える際には、まずは入居される方の医療面と介護面を把握してください。

それらがカバーできる老人ホームを最低条件とします。

そのうえで、現在よりも悪化しないように機能訓練(リハビリ)が必要かどうか、薬の管理や心のケアが必要かどうかなどの条件を考えていきます。

特別に何か必要なくても、「寝たきりにさせない」ために、施設スタッフの対応も条件にあげておくといいでしょう。

ただ、24時間看護サービス、スタッフ比率がよいなど、安心面が充実している施設となると費用も高くなります。

ケアマネージャー

多く求めすぎると、無駄な医療や介護費を支払うことに もなってしまいます。

体の状態によっては、介護士だけでなく、看護士も昼夜問わずいてほしいなどの要望もあるかと思いますが、必要な範囲で考えてください。

まだそこまでは必要ない、心のケアや部分的なサポートで足りるなど、現実的な要望だけを条件として絞り込みを進めていくことがポイントです。

以下を参考に考えてみてください。

  • 適切な投薬や医療器具のチェックなどの看護サービスがある/必要ない
  • 介護士24時間がいる/必要ない(夜間対応してくれれば足りる)
  • 看護師が日中常駐/24時間、365日常駐(緊急事態対応あり)
  • 生活相談員がいる
  • 医療機関との連携がある
  • スタッフ体制:入居者2.5人につきスタッフ1人以上がいい
  • スタッフ体制:入居者2人につきスタッフ1人以上がいい
    (※有料老人ホームは、要介護者2.5名に対し、介護・看護職員を1名以上。なお、サ付きはこのような配置規定はなし)
  • 館内にリハビリ&デイサービスを併設/外部でもいい
  • リハビリや機能回復訓練がある/必要ない
  • 認知症対応がある/必要ない

より細かくはチェックシートで確認してください。

pdf要介護1〜2の方の老人ホームの選び方チェックシート

②サービスから絞る

足腰が弱くなったり、介助が必要となると、外出が難しくなります。

そのため、ちょっとしたレクリエーションや日々のお散歩など、施設内のアクティビティが充実しているかどうかもポイントです。

趣味に合うサークルがあるところ、参加が自由にできるところなどだけでなく、どんなアクティビティがあるかも確認しましょう。

pdf要介護1〜2の方の老人ホームの選び方チェックシート

食事についても、メニューを豊富に揃えていて選べるところもあれば、決まったものを提供されるなど、施設によって異なります。

  • 調理師がいて厨房で調理してくれるところがいい
  • 外部の給食センターによる提供で十分
  • レトルト食品の使用でもOK
  • メニューを選べるところがいい

入居者にとって食事は楽しみの一つでもあります。

多彩なメニューとまではいかなくても、「安心した食材を使い、栄養バランスのとれた温かい食事を提供してくれる」という条件を設定しておくといいでしょう。

また、たばこを吸われる方は、「喫煙ルームや喫煙スペースがある施設」という条件は外せないと思います。

施設説明

美容室にいったり、買い物にいったりなど、もちろん外出することもあると思います。

急な外出がOKな施設もあれば、事前に許可がいる施設などもあります。

あれもこれもではなく、「これだけは外せない」ということを考えて、条件にあげて絞り込むと、快適に過ごせる施設選びができます。

③家族からみた立地から絞る

緊急の際に駆けつける、通える場所がいい、などの要望があるかと思います。

家族目線で地域を選ぶべきですが、自宅から一番近いところの方が良いわけではありません。

あまりにも近いと、本人が楽しい生活を送れているにも関わらず、「家に帰りたい」という気持ちになることもあります。

また、家族が住む市内、県内という絞り方ではなく、車や電車で30分程度で行ける施設、というような絞り方をするといいでしょう。

このほうが選択肢は広がります。

④費用から絞る

要介護1,2の方の費用では、施設の月額費用や一時金【敷金】だけでなく、介護サービスを利用する場合の費用も確認しておくべきです。

施設で介護保険サービスを利用すれば、要介護度に応じた自己負担分を毎月支払う必要があります。

また、介護や医療に手厚い施設となると、サービス費用が上乗せされ、入居者が負担することになります。

外部の介護サービス事業所の訪問介護等を利用する場合も、利用する事業所によって自己負担金に違いがでてきます。

更に、以下の生活支援サービスは、介護保険対象外となり、別途負担することになります。

  • 食事の居室配膳費
  • 行政手続き代行
  • 買い物代行
  • 協力医療機関以外への通院介助
  • 外出付き添い

施設の一時金や月額費用だけでなく、他にかかる費用も具体的に出して予算を考えてください。

そのうえで、施設を絞りこみましょう。

<選び方の順に絞った結果、残る施設がなくなった場合>

※安心面を求めすぎると、必要以上に費用がかかり、無駄な費用を出費することになります。

予算を抑えたい方や、「費用から絞る」までに条件にあう施設がなくなってしまった場合には、安心面やサービス面を見直しましょう。

要介護1,2の場合、必要以上に手厚い介護・医療体制は必要ないと言えます。
また、サービスもそうです。

これまでの生活と変わらない生活が可能となる施設であればOKとして、条件を緩めてください。

事例

実際に、既に老人ホームに入居された方が、「①安心>②サービス(食事やアクティビティ)>③家族からみた立地>④費用」から選んだ事例を紹介します。

事例1

どうにか自立した生活が出来ていた父でしたが、糖尿病により月に1度程度の通院が必要な状況となりました。

病院まで遠かったので、一人で通院するのは難しく、当初は通院日に家族のものが付添い対処している状態でした。

手助けをしながら車にのりこむおじいさん

ただ、家族もみな近くには住んでおらず、仕事も持っていたため、これ以上通院の回数が増えた場合にはサポートができない状況でした。

父に老人ホームを勧めたところ、父自身も「もう一人での生活は難しい」と感じ始めていたようで、老人ホームを探し始めました。

まずは糖尿病持ちということから、糖尿病でも受け入れてくれる体制が整っている施設を一番の条件として考えました。


  • 訪問診療がある施設
  • 糖尿病患者用の栄養管理がされた食事提供をしてくれる施設
  • 自分でインスリン注射はできるため、介護士常駐で足りる

安心面で絞り込んだところ、介護付も対象となりましたが、そこまでの介護・医療体制は必要ないと判断。

次に、寝たきり生活にならないためにも、サービス面について考えました。


  • 軽い体操やお散歩などができること
  • 入居者同士のコミュニケーションがとれるような共有スペースがあること
  • 調理室があり施設内で作った食事を提供してくれること
  • 訪問理容師がくる施設

  • 父本人と一緒に考えた結果、この4つを条件としてあげることにしました。

    次に施設の場所についてですが、「家族が週に一度は通えるところ」ということで、具体的には、車で1時間以内の場所を条件にしました。

    最後に費用ですが、父が今まで住んでいた家と土地を売却することにしたため、一時金は1千万円以内で、月々20万円以内で絞り込みました。

    住宅型有料老人ホーム2件と、介護付き有料老人ホーム1件が残りました。

    父も連れて見学に行き、施設の雰囲気やタッフの対応など、いくつかの点を確認。

    父自身が一番気に入った、住宅型有料老人ホームへの入居を決めました。

    家族が住む家からも車で30分程度で、一時金も400万円、月額17万円。

    家族も父も、納得できる施設に決めることができました。

    事例2

    高齢の母が転倒し、骨折をして入院となりました。

    たった3カ月で出されてしまうことから、入院中に介護認定を申請し、退院後もリハビリをを受けるために老人保健施設を考えました。

    しかし、満室ですぐに入れる状況ではありませんでした。

    仕方なく退院して自宅に戻ったものの、母は自宅では動こうともせず、このまま独りで生活をさせるのは不安でした。

    食事も宅配を利用するなど、家事も厳しい状況に。

    母親自身も今後の生活に不安を覚え始め、老人ホームを検討したのがきっかけです。

    老人ホーム選びでは、年齢が年齢ですし、筋力の低下により回復は難しいものの、悪化しないように「リハビリに対応のホーム」というのを条件にしました。


    • リハビリの専門家である理学療法士が常勤までしている必要はないが、週何回かのペースで定期訪問すること
    • 介護については、外部事業所の利用でも可
    • 夜間については、介護士でなくても、24時間スタッフが常駐していること
    • 訪問診療がある施設
    • 介護度があがっても対応してくれること
    • 看取りまで対応してくれること

    リハビリを受けるおばあさん

    安心面で絞り込んだところ、サービス付き高齢者向け住宅(特定施設)、介護付と住宅型有料老人ホームが対象となりました。

    次に、ベッドに横になる生活が長くならないことと気分転換ができるように、アクティビティ面とサービス面を考えました。

    母の要望は以下でした。


    • 施設内で調理し、食事が美味しいこと
    • 他の入居者と談話できるようなスペースがあること
    • 季節ごとのイベントなどがあること

    更に、家族としての条件を1つ追加しました。

    ・症状にあわせた体操や運動のサービスを受けられること

    施設の場所については、母の要望は現在住んでいる地域という要望でしたが、「家族が月に3~4回程度は通えるところ」という話でまとまりました。

    具体的には、娘の私が電車で1時間以内でいける場所を条件に。
    電車でいくこともあり、「なるべく駅から徒歩でいける施設がいい」という条件も出しておきました。

    最後に費用については、一時金は700万円以内で、月々18万円以内で絞り込みました。

    2件の住宅型有料老人ホームが残りました。

    母も連れて見学に行き、居室や共有スペースなど確認し、アクティビティの様子やリハビリの様子も見せてもらいました。

    施設内に理学療法士が常駐していて、機能訓練室がある住宅型有料老人ホームへの入居を決めました。

    入居後は、母も施設内で日常的に歩くようになり、以前の笑顔も戻っています。

    母にあった施設を決めることができたと感じています。

    サブコンテンツ