美味しい味付けは雰囲気が一番?食事に対する考え方
人生において、「食」は重要な楽しみの一つですよね。
どんなに認知機能に障がいが起きても、食事の楽しみはずっと残っているそうです。
分かりやすく例を挙げると、私の知り合いの妊娠中のお話。
つわりで何も食べられなくなった経験があったそうです。
普段は食べることがとても楽しみだった私の知り合いが、妊娠を機に、何も食べられなくなりました。
飲むゼリーしか受け付けられなかったと言うことです。
食べたい物がない、食事に対する楽しみが生まれない…。
本当に辛かったと話していました。
また、妊娠の週数が進むと、今度は後期つわりと言って、食べれば必ず吐くという状態になったそうです。
「食べたい物があっても、吐くと分かっていたので食べることが出来なかった。 絶望的な気持ちだったし、好きなものを食べられるって本当に幸せだって痛感した。」 と話していました。
このように、食生活は人生が楽しくも悲しくも感じられるくらいのウエイトを占めているんですね。
老後生活においても同様です。
唯一の楽しみがお食事だ、とおっしゃる方も沢山いらっしゃいます。
老人ホームなどの高齢者施設での食事内容はどのようなものなのでしょうか
食事内容は施設によってさまざまです 。
当然ながら、入所される施設側の考えによって食事内容は大きく変わります。
同じように、レクリエーション活動も施設によって大きく異なります。
病院などでは、管理栄養士さんがきちんとカロリーを計算し、入所者(または利用者)さんそれぞれの持病などを考慮して適切なお食事を提供します。
普通のお食事、といった感じでしょうか。
グループホームでは入居者さんと介護スタッフで相談し、メニューを作っていきます。
入居者さんがたがお料理を作ってきます。
作り手それぞれの特徴が出ますので、オリジナリティ溢れるお食事です。
お食事の雰囲気も、無言でさっさと食べる、というスタイルではなく、介護スタッフや他の入居者(利用者)さんなどと楽しくお話しながら、明るい雰囲気の中で召し上がることが出来ます。
ご自身で食べるのが難しい方も、別な場所で提供されるのではなく、皆さんと同じように一緒に介護スタッフの介護添えでお食事を召し上がっておられます。
ただ、残念ながら経管栄養と呼ばれる「管」から栄養剤を流す方法で栄養を摂取されている方は、居室で、という施設が多いようです。
施設によっては皆さんと同じく、食堂やホールなどに出て栄養剤を流しているところもあるようです。
基本的にはお食事を食べることが出来ない方に対しての配慮で、別々にされているところが多いです。
生ものは?
お察しの通り、生ものはあまり提供されることがありません。
高齢の方々は抵抗力は勿論、消化機能が低下していることが考えられます。
そのため、生ものを召し上がると体調によっては感染性の胃腸炎を起こす場合も考えられるので、あまり好まれません。
しかし、年末年始などには「お寿司」や「お刺身」という形で提供されることもあります。
ある老人福祉施設での先日のひなまつりでは、このようなお夕飯が提供されました。
勿論、重症度の高い糖尿病の方や高血圧の方、胃腸の抵抗力が弱い方などは他の別メニューとなりますが・・・。
いくらのしょうゆ漬けは入居者さんが喜んで食べていたのが印象的でした。
「普段はなかなかこのようなものが食べられないから…とても嬉しい。」 とお話されていたのが印象的でした。
きちんとはまぐりのお吸い物まで、丁寧に盛り付けされて配膳されました。
食事内容に対してですが、施設側に希望を伝えると、そちらに添ったメニューが提供されることが可能かもしれません。
入居される方のお好みのお食事があれば、積極的にご相談なさってみてはいかがでしょうか。