教科書にのらない個別対応について〜老人ホーム職員がお答えいたします

老人ホームなどの介護施設を利用するにあたって、担当者から説明があると思います。

その際、「利用者さん(入居者さん)の状態に合わせて、個別ケアで対応していきますので語安心ください。」というようなお話を受けた事がある方もいらっしゃると思います。

そもそも個別ケアって、実際どのような事を示すのでしょうか。

私たちの施設での具体例を用いてお話してみましょう。

個別ケアって具体的にどのようなもの㈰ (Unicode エンコードの競合)

その人の生きてきた背景を見る

一見、気難しい感じの女性

田舎の農家で働いてきた人です。

若くして農家へ嫁ぎ、ずっと農業だけを行ってきた人です.

デイサービスを利用しだしたばかりの頃のお話です。

 

話しかけても、あまり思うように反応してくれません。

言葉遣いにも配慮し、丁寧に敬うようにお話しました。

農家ということもあり、農作物で分からない事を聞くなどし、興味を示してくれる話題を探っていました。

でも、なかなか会話が弾まず、ずっと無言のままでした。

年上、いわゆる高齢の方へは一般的な常識として、敬わなければいけません。

これはどこにおいても同じ。

ですから、とにかく丁寧な言葉で敬意を示す対応が正しいと思っていました。

ある日、私の上司がこの利用者さんに「今日はあっつぅなー。変わりねぇっか?」と話しかけていました。

(この上司はケアマネージャーですので、普段は事務所で仕事をしていることが多いです。)

私は、「え!?そんな話し方していいの!?」と驚き。

敬う言葉とは程遠い言い回しでした。

しかし、この利用者さんは「んだな、あっつくて、(暑くて)のどが乾くじゃ〜」と、上司に返事をしていました。

後で上司になぜあのような口調で話しかけたのか聞いてみました

更に、生意気にも「言い方を気をつけたほうがいいですよ」などと言ってしまいました。

上司の考えはこうでした。

 

『この利用者さんは、ずっと農家という環境で生活してきた。農家を見下す気は全くないが、農家の人は方言を使う割合が多い。昔は今のような時代ではなく、勉強も満足にできないこともあった。

その環境で育った人に、気取った標準語を使ってもどう返答したらいいかわからない時もあるし、なんて言っているのかわからない事だってあると思う。
その人の生活背景をよく理解し、その人の生活環境により近い雰囲気で接することが大切。』

 

なるほど〜。

そういうわけだったんですね。

確かに上司の言うとおり、教科書通りいかないんだな〜と、とっても勉強になった出来事でした。

個別ケアって具体的にどのようなもの㈪ (Unicode エンコードの競合)

サービス内容から接し方まで

個別に対応するということは、決して介護サービスの内容だけとは限りません

利用者さんがどのような環境で生活してきたか、情報収集します。

そして、その利用者さんが過ごしやすい雰囲気を作る努力をします。

なかなか環境に馴染めない場合は、何が原因か考えます。

いい意見が出るように、スタッフで意見交換会を行います。
(いわゆるカンファレンスと呼ばれるものです。)

そして、どのように対応していけば良いのか考えているのです。

もちろん、その利用者さんの身体状況に合わせて介護の内容も個別性を持たせたケアを行っています。

先ほどお話した内容のように、接し方などの環境も考慮して、私達は対応しています。

そんな話し方でいいの?

そんな風に不安を感じた時は、直接スタッフ本人に聞いてみます。

そして、会議を通してみんなで考え、意見や情報を共有していきます。

スタッフの間でなかなか意見が出ない時は、図書館に出向いたりして、必要な文献を探して調べたりしているんですよ。

このような日々の努力で、私たちは介護しています。

なんて言うと、少し恩着せがましいかな?

でも、私たちは本当に介護というお仕事に対して責任を持っています。

ですから、皆さん!

安心して大切なご家族の時間の一部を私たちに介護させてくださいね。

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