老人ホームでのお口のケアってどんなもの?
お口の健康…。
皆さんはお気になさっていますか?
私は時々、歯医者さんにかかります。
本当に苦痛な痛みを覚えて受診しますが、その治療ったら…本当に苦痛です。
口腔トラブルによる病気
口の中が不健康な状態だと、肺炎や味の障害…いわゆる味覚障害を引き起こします。
それだけではありません。
食欲の低下や、今話題となっている歯周病など、様々な体の不調に繋がります。
たかがお口、されどお口です。
普段何気なく行っている口の中のケアに関して少し意識を変えるだけで、ご自身の健康な生活に繋がります。
特に、高齢の方にとってのお口のケアの重要性は皆さんご承知でしょうが、老人ホームでも、とても気をつけている援助行為のひとつです。
年を重ねることで、残念ながらお口の中の機能も衰えてしまいます。
では、どのような点に注意すればいいのでしょうか。
また、どのような変化が、加齢によって出てくるのでしょうか。
今日はそのお口のケアについてお話しましょう。
加齢による変化とは
年齢を重ねることにより、当然のことのように体の色々な部分に変化が現れてきます。
お口の中もそのひとつ。
加齢によって、どのような変化が出てくるのでしょうか。
ツバが減ってきます。
これは、お口の中が乾燥した状態であるということ。
お口の中は粘膜で作られています。
その粘膜には、潤いが必要です。
その潤いとは、唾液の分泌で守られています。
しかし、唾液が減少することでお口の中が常に乾燥した状態になります。
そうすると、お口の中がいつもヒリヒリしたり、口が渇いていると感じるようになります。
そのため、喋りにくくなります。
また、味が分からなくなったり、唾液が少ないことでお口の中で食べ物がうまくまとまらず、飲み込みにくくなるなど、食事への影響も出てきます。
そして…虫歯のトラブルに繋がります。
唾液はお口の中の雑菌の繁殖を抑える役割を担っていますが、その唾液が減少すると、お口の中の浄化作用が働かなくなります。
そのため、雑菌が増えてしまう→虫歯になる、という状態になります。
口臭の原因にもなる
これが原因で、歯周病のリスクがぐんと上がり、歯を失う原因になってしまいます。
(歯周病は歯茎を溶かしてしまう恐ろしい病気。そのため、歯茎が解けていくと歯がポロリと抜けてしまいます!)
でも、だからってどうしたらいいんだろう…そんなお悩みが聞こえてきそうですね。
これらを予防するため、老人ホームでは、お食事前に唾液が出やすくなるような体操を行ったり、食後にはしっかりお口の中をケアするお手伝いをさせていただいています。
これは老人ホームだけでなく、デイサービスなどの高齢者施設すべてで行われています。
俗に言う「嚥下体操」です。
嚥下体操とはどんな体操?
では嚥下体操(えんげたいそう)とはどのようなものなのでしょうか?
体操と言っても、ラジオ体操のような大掛かりなものではありません。
お口の中にある唾液腺という、ツバを出す腺を刺激して、唾液の分泌をよくします。
また、首を動かしたり腕を動かしたり、あごの周りの筋肉を動かして鍛えることで、飲み込みの機能が衰えないようにトレーニングします。
舌を左右上下に動かしたり、発声練習も行います。
お食事前の数十分を使って、このような運動を行います。
そして、皆さんでおいしく楽しくお昼ごはんを食べていただいています。
食事の後はお口のケアです。
今では色々な歯磨き剤が販売されていますよね。
それぞれ、皆さんのお口の状態にあったものを用意して丁寧にケアさせていただいています。
食べるということは、人間にとって重要な楽しみの一つです。
生命を維持するという目的だけではなく、生きていく楽しみに繋がるということですね。
そしてコミュニケーションの手段という意味も含まれています。
このようにとても大切なことなのです。
特に高齢者の方々は肺炎になりやすいです。
肺炎を予防するためにも、お口の中を綺麗に保つことが重要です。
でも、年を重ねるとなかなか難しいですよね。そこを私たちがお手伝いさせていただきます。
かゆいところに手が届くよう、私たちも日々勉強してケアさせていただいています。