食べこぼしが多くなりイライラ!!食事介助のストレスどうすればいい?
家庭で介護をなさっている方に多いのが、食べこぼしに関するストレスではないでしょうか。
食事に関するストレスは、介護をする方も受ける方も、両方感じることだと思います。
ご家族からすれば、
- 折角作った料理をボロボロこぼしてムダにしている
- 掃除、洗濯の手間がかかる
という思いが強いのではないでしょうか。
また、介護されている方としては
- 家族に対して、負担をかけて申し訳ない
- 綺麗に食べたいのに、出来ないために焦る
- こぼさず美味しく食べたいのに出来ない
と、焦りや絶望感など、マイナスの感情を抱くことが多いでしょう。
「食」は人生において、楽しみのウエイトを持っているものですからなおさらですよね。
食べこぼしの原因
考えられる原因
- 高齢化による身体機能の低下(体が思うように自由に動かない、目がよく見えない など)
- 脳梗塞などによる、麻痺
- 食事の際の姿勢が悪い(どちらか片方に寄りかかってしまっている、テーブルの高さが合っていない など)
- 食事の形態、食器が本人に合っていない(食べやすい食事内容、食べやすい食器ではない)
まずは、なぜご本人が食べこぼしを発生させてしまうのか、状況をよくみて分析してみましょう。
よくある例として
①脳梗塞の後遺症で、右側(もしくは左側)に麻痺が残った。
片方に麻痺があるため、どうしてもイスに座ると体が傾いてしまう。
箸で食べるのは難しいと思い、自宅にある銀のスプーンやフォークを使って食べさせている。
②寝たきりの状態である。
普段はベッドで過ごしているため、移動が大変。
食事の時は車椅子でベッドから食事を食べる場所まで移動する。車椅子をイス替わりにし、テーブルでご飯を食べている。
このような状態では、どこが問題なのか分かりますか。
それでは、一緒に考えて見ましょう。
食べこぼしを減らす対策
前述の①の状態について考えて見ましょう。
片方に麻痺がある場合、どうしても座っていると麻痺を起こしている側に倒れていってしまいます。
これは、麻痺という言葉が示しているように、麻痺側には感覚がありません。
力も入りませんので、自然と傾いてしまうんですね。
姿勢が悪いと、食事も上手に摂れません
椅子に座る場合は、クッションを敷く、麻痺側にクッションをいれ、倒れないように支えるなどの対策を行いましょう。
車椅子の場合は、車椅子の大きさがご本人に合うサイズのものをつかっているか見直しましょう。
体が小さい方が大きな車椅子に座っていると、座った左右に空間が出来ます。
この空間がご本人の体を支えることが出来ないため、体勢を崩しやすいです。
上記と同じように、クッションなどで、体が倒れない体勢を作りましょう。
そしてスプーンやフォークなどの食器が食べやすいものなのか見てみましょう。
自宅にある銀のスプーンとありましたね。
高齢になり、特に指先の力が落ちている状態で、枝の細いスプーンを持つのは少し大変かもしれません。
現在では自助器といい、食べやすい食器やスプーンなどが販売されています。
柄の部分が太く握りやすいものも販売されています。
そしてスプーンの大きさがご本人のお口のサイズに合っているかも、確認しましょう。
もしかしたらスプーンが大きくて、思うように口の中に入れられずこぼしている可能性もあります。
また、食器から食べ物をすくう際、上手にできているでしょうか?
スプーンやフォークなどの大きさがご本員にとって適切でないと、食べ物をすくう際に上手くいかず、こぼしてしまうことがあります。
銀のスプーンよりシリコーンタイプのものは比較的食器からすくいやすいので、試してみるのもいいかもしれません。
では次に、②の状態について考えてみましょう。
こちらも②と同じように、車椅子のサイズ、座った際の空間の大きさについて再確認しましょう。
また、テーブルの高さは合っていますか?
椅子とテーブルのバランスが悪く、テーブルが高かったりすると食べ物をきちんと見ることができませんので、食べものをこぼしてしまう可能性があります。
このように、現在どのような状態なのかをきちんと理解することで、どのように対策して修正していけばいいかおのずと見えてきます。
「あー、もう!!」ではなく、まずは状況分析をしてみましょう。
この際は個人では少し大変かもしれませんので、是非専門家のケアマネージャーさんなどにご相談なさって、お力を借りるといいかもしれませんね。